業種別のAI活用

自動車販売・整備のAI活用

点検結果の説明、追加整備の連絡、車検・点検の案内。整備工場と販売店のお客さま対応の手間をAIで軽くします。

自動車販売・整備の現場で、よく聞く悩み

  • 点検の結果を、整備士が電話で一人ずつ説明している
  • 「車検に通るなら整備は要らない」と言われる
  • 追加整備の連絡がつかず、作業が止まる
  • 車検・点検の案内はがきづくりに手が回らない
  • 整備士が足りず、求人を出しても集まらない

自動車販売・整備のユースケース(1件)

この業種でよくある状況

地域の整備工場や販売店では、整備士が点検や修理をしながら、お客さまへの説明や電話にも出ている、という光景が珍しくありません。国土交通省の会議資料は、自動車整備要員の有効求人倍率の上昇、過去20年で自動車整備学校入学者数の半減、平均年齢の上昇など、整備業界の人材不足が顕在化していると整理しています1。同じ資料では、約6割の事業者が自動車整備士の不足を感じているとされています1。

整備工場には、認証工場と指定工場があります。国土交通省の資料では、令和7年度の認証工場は92,261、指定工場は29,788、整備売上高は66,592億円です2。指定工場は、認証工場のうち設備、技術、管理組織等について一定の基準に適合している工場に対して、申請により地方運輸局長が指定をしたものです3。どちらの工場でも、車検と点検整備、一般の修理、板金、保険の手続きなど、お客さまに説明して了承をいただく場面が一日に何度もあります。

車の平均車齢は延びています。自動車検査登録情報協会の発表では、令和6年3月末現在の乗用車の平均車齢は9.34年で、前年に比べ0.12年延びました4。

お客さまに伝える話も増えました。令和6年10月1日(輸入車は令和7年10月1日)から、車検に「電子装置の検査」(OBD検査)が追加されています5。一方で、国土交通省は、検査(車検)に合格したことをもって、点検・整備を省略できるものではないと説明しています6。道路運送車両法も、自動車の使用者は、点検をし、必要に応じて整備をすることで、保安基準に適合するように維持しなければならないと定めています7。この違いをお客さまに分かる言葉で伝えるのは、現場の整備士やフロントの役目です。

販売店では、新車・中古車の商談、納車の準備、保険や車検の案内など、お客さまとの連絡がさらに多くなります。

AIで変えやすい仕事

  • 点検結果の説明文:整備士の点検メモと写真から、お客さまに分かる言葉の説明文の下書きを作れます。くわしくは自動車整備工場の点検結果と追加整備の説明を、AIでお客さまに伝わる文章にをご覧ください。
  • 追加整備と見積の連絡文:追加の整備の内容と概算見積りを、写真つきで伝える文面を整えられます。国土交通省の通知では、概算見積りについて、書面の交付に代えて電磁的方法による交付が可能となったとされています8。
  • 車検・点検の案内:前回の整備記録をもとに、車ごとに一言を添えた案内文の下書きを作れます(集客・情報発信の悩み)。
  • 中古車の商品説明:車両の状態のメモから、販売ページの説明文の下書きを作れます。車の状態と合っているかは担当者が確かめます。
  • 求人原稿:仕事の中身や職場の良さを聞き取って、伝わる求人原稿にまとめられます(求人票づくりの使い方)。

まだAIに任せにくい仕事

  • 整備の判断:部品の交換が必要か、いつまでに必要かは、車を見た整備士にしか判断できません。
  • 追加整備の承諾:国土交通省の依命通達は、概算見積りの書面(または電磁的記録)を渡した後に、作業の途中で見積金額の変更を伴う整備の必要性が新たに見つかった場合、あらかじめ依頼者の了解がある場合を除き、原則として追加整備の内容と変更後の概算見積りを依頼者に連絡し、承諾を得たうえで作業を行うものとしています8。この連絡と承諾の確認は人が行い、AIの文章は連絡を早くするための道具にとどめます。
  • 検査と保安基準の判断:車検の検査や、保安基準に適合しているかどうかの判断は、資格を持つ人の責任で行う領域です。AIは調べものや説明の補助にとどめます。
  • お客さまとの信頼関係:「あの工場の人に見てもらえば安心」という関係は、顔の見える説明から生まれます。

最初の一歩におすすめ

いちばん効果が見えやすいのは点検結果の説明文です。よくある整備の説明の言い方を例文集にまとめれば、1〜2ヶ月で形にすることを目安にしています。整備士の電話の時間が減れば、そのぶんリフトの作業に戻れます。

次におすすめなのが、車検と点検整備の違いを伝える定型文です。国の説明をもとに一度きちんと作っておけば、「車検に通るなら」と言われたときに、誰が対応しても同じ説明ができます。

車検や点検整備、見積の手続きにかかわる具体的な対応は、運輸支局など所管の窓口や専門家にご確認ください。

参考にした資料

  1. 国土交通省 自動車局 整備課「自動車整備士の確保・育成に係る課題とこれまでの取組(資料5)」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001877732.pdf ↩ ↩2

  2. 国土交通省「自動車の整備工場」(資料は「自動車整備白書」による。工場数は各年度3月末現在) https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/002005039.pdf ↩

  3. 国土交通省「自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/ninshoutoshiteinochigai.html ↩

  4. 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「自動車検査登録情報協会、令和6年版わが国の自動車保有動向を発表」(2024年10月17日) https://www.airia.or.jp/news/v19mrm00000019fm.html ↩

  5. 国土交通省「OBD検査とは?(ユーザー向け)」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD_user.html ↩

  6. 国土交通省 自動車局「点検整備の必要性」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-1/ ↩

  7. e-Gov法令検索「道路運送車両法」(昭和二十六年法律第百八十五号)第47条(使用者の点検及び整備の義務) https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 ↩

  8. 国土交通省 自動車局長「「自動車分解整備事業者の認証及び指定自動車整備事業者の指定に係る取扱い及び指導の要領について(依命通達)」の一部改正について」(国自整第152号の2、2018年9月28日) https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/ishikawa/press/2018/181001ninshou&sitei_toriatsukai&sidouyouryou.pdf ↩ ↩2

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